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皆様、こんにちは。
日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター(以下、NTA MSBC)です。
毎月弊センターより、マレーシア現地最新情報や、NTA MSBCでの取り組みについてご紹介いたします。
NTA MSBCでは何ができる?その19:食品市場調査(和風だし)
マレーシアでは、民族ごとに異なるスープ文化が根付いており、鶏・牛・魚を中心とした出汁や香辛料を使った具入りスープが、日常的な料理として親しまれています。
一方、日本の「だし」は、昆布や鰹節、煮干しなどを用いた繊細な旨味が特徴であり、和食に欠かせない存在です。近年では、“UMAMI”という言葉が国際的にも知られるようになり、だしそのものへの注目も少しずつ高まりつつあります。
では、こうした日本の「だし」は、マレーシアの市場でどのように受け入れられているのでしょうか?本レポートでは、現地のスープ文化の特性を踏まえながら、和風だしが抱える課題と可能性について考察します。
商品開発や販売戦略のヒントとして、ぜひご一読ください。
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今月の特集「食品市場調査(和風だし)」 |
~ マレーシアで売れるための品目別マーケティング ~
和風だし
多民族国家であるマレーシアの総人口は約3,300万人で、マレー系が70%、華人系が23%、インド系が7%を占めていますが、それぞれ影響しあいながら独自の民族料理を発展させています。
日本のだしに相当するスープについては、一般的に鶏肉、獣肉、魚肉でとり、昆布などの植物性だしは中華ベジタリアンで用いられる干し椎茸だけです。具入りのスープや麺を入れたヌードルスープが一般的なスープの食べ方です。
マレー系はイスラム教徒であることから教義上、豚肉は使いません。中東の影響が強いため食材としては羊肉や牛肉が使われるという特徴があります。 写真下は骨付きマトンを煮込んで作ったスープ。Sup Kambing。味付けは塩とカルダモン、クミン、ターメリック、クローブなどの香辛料のみ。
写真下は骨付き牛肉のスープ。Sup Lembu。味付けはやはり塩と香辛料のみ。
写真下は魚で取ったスープに米麺を入れたAssam Laksa。小型の生サバを茹でてとったダシにエビを発行させた調味料(ブラチャン)やタマリンド、唐辛子などによる辛くて酸味のある味付けです。
写真下は猪肉麺(ポーク・ミー)。骨付き豚肉でスープを取りますが、豚骨ラーメンのスープのようには白濁するまで煮込まない、さっぱりした塩味スープです。刺激がたりない人は、生唐辛子の小口切りを加えて食べます。
さて日本のスープである「だし」ですが、日本文化・日本食ブームに乗って「旨味(UMAMI)」という名前と共に認知度が上がっています。イオンや伊勢丹、ドンキなどの日系スーパーでは、日本製のだしの素、濃縮麺つゆが販売されていますが、現時点で購入層は在留邦人や外国人、日本食が好きなマレーシア華人などにとどまっています。
和風だしのうどんやそばは、日本食の代表的料理としてほとんどの日本食レストランでメニューに載っていますが、うどんやそばの専門店となるとラーメン専門店に比べると圧倒的に少ないのが現状です。ラーメン専門店でもカツオや煮干しの魚介スープを使った醤油ラーメンは人気がなく、マレーシアで圧倒的に人気を誇るのは豚骨ラーメンです。 上記のように現地のスープが鳥獣スープであることから、豚骨スープや鶏ガラスープが受け入れられやすいと考えられます。
「だし」を使う代表的な日本食としてうどん、そば、鍋料理、味噌汁などが知られていますが、薄味の微妙な味わいが受け入れられているかといえば微妙です。微妙な味わいのある魚介系だしの真価は、まだきちんと理解されているとは言えないようです。
2016年にマレーシアに進出したファミリーマートは今ではコンビニチェーンでトップ人気を博していますが、満を持して投入した日本風の「おでん」が、あっけなく酸っぱ辛い「トムヤムおでん」(写真下)に淘汰されてしまったことからも分かります。
さらに人口の70%を占めるマレー系にあまり受け入れられていない理由の一つに、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証を受けている商品がほとんどないことがあります。
ムスリムは豚由来の成分やアルコールが含まれている加工食品は教義に反するとの理由で口にしません。 また豚由来の成分やアルコールを一切使用しない製品開発したとしても、認証機関からハラル条件を満たしたことを証明する認証を受ける必要があり、かなりの費用がかかります。
こうした背景を踏まえると、和風だしをマレーシア市場に広げていくには、「UMAMI=健康的で上品な味」という価値を伝えるだけでなく、現地のスープ文化やハラル条件に配慮したアレンジや製品設計が不可欠だと言えるでしょう。
たとえば、魚介ベースのハラル認証付きだし製品の開発、または既存スープに旨味をプラスできる“だしパウダー”などの提案型アプローチによって、マレーシアならではの“UMAMI体験”を根付かせていくことが、今後のカギとなりそうです。
NTA MSBC活動レポート:マレーシアの豊かな自然を舞台に ― 体験型ボランティアプログラムのご紹介
マレーシアは、熱帯の豊かな自然に恵まれた国であり、森林や海洋を舞台に多種多様な体験型アクティビティが提供されています。単なる観光地としての魅力にとどまらず、現地の自然とふれあい、環境保全やサステナビリティに対する理解を深める「学びの機会」が得られる点も、大きな特長です。
今回はその一例として、トレンガヌ州・レダン島に位置するチャガル・フタン ウミガメ保護区(Chagar Hutang Turtle Sanctuary)」でのボランティアプログラムをご紹介いたします。
本プログラムに実際に参加した弊社スタッフの体験を通じて、ウミガメとのふれあいや夜空の下で過ごす貴重な時間など、現地から魅力をお届けいたします。
📍 今回弊社スタッフが訪れた場所:
チャガル・フタン ウミガメ保護区(マレーシア・トレンガヌ州・レダン島)
Chagar Hutang Turtle Sanctuary, Redang Island, Terengganu
チャガル・フタン・ウミガメ保護区(Chagar Hutang Turtle Sanctuary)は、マレーシア・レダン島の北部に位置し、アオウミガメおよびタイマイの主要な産卵地として知られています。年間700〜1,700の巣が確認されており、5月〜7月が産卵の最盛期です。
2005年、トレンガヌ州政府によって正式にウミガメ保護区として指定されて以降、一般の立ち入りは禁止されており、ビーチに入ることができるのは、ウミガメ研究ユニット「SEATRU(Sea Turtle Research Unit)」の研究者および認定ボランティアのみに限られています。
保護区は、荘厳な岩山に囲まれた静かな湾に位置し、弓なりに広がる約350mの白砂ビーチ、透明度の高い青い海、そして手つかずのサンゴ礁に恵まれています。これらの自然環境は、ウミガメが身を休めたり餌をとったりした後に、産卵のため上陸するのに最適な環境となっています。
【1】現地での主な活動内容
チャガル・フタン ウミガメ保護区では、ウミガメの保全活動を中心とした終日プログラムに参加可能です。活動内容を時間帯ごとにご紹介いたします。
◎ 日中の主な活動
・前夜に産卵された巣のマーキングおよび測定作業
・保護用ネット(ネットロン)による巣の保護・管理
・アリやカニなどの天敵による被害防止と、1時間ごとのビーチパトロール
・孵化済みの巣の掘り起こしと分析
・ビーチクリーンアップ
・午後3時までに、すべてのシュノーケラーおよびダイバーのタートル・ベイ退去確認
◎ 夜間の主な活動
・1時間ごとのパトロールによるウミガメの上陸確認・記録
・危険な場所に産卵された卵の安全な位置への移設
・各産卵ステージの観察および時間の記録
・産卵後のウミガメへのタグ付け・計測作業
・巣のマーキングおよび必要なデータの記録
・孵化のモニタリング
◎ その他アクティビティ
・タートルロックハイキング、シュノーケリング、カヤック・SUP体験
・アート制作、写真撮影など
【2】特に印象的だった体験
今では書籍やインターネットから簡単に情報を得ることができますが、ウミガメと間近でふれあう体験は、やはり格別で、他に代えがたいものがありました。
このプログラムの中で特に印象的だったのは、満天の星空の下で眠るという忘れられない体験です。銀河や流れ星を眺めながら、子ガメの孵化や海への旅立ちを見届けたり、手を貸したりできたことは一生の思い出になりました。
ウミガメの赤ちゃん
保護区から見える夜空
【3】プログラム費用(参考)
プランにより異なりますが、弊社スタッフが参加した際の費用は以下の通りです。
◎ プラン例:
・3泊4日:RM680(約23,582円)
・4泊5日:RM720(約24,970円)
◎ 料金に含まれるもの:
・保護区内での宿泊および食事
・レダン島までの往復ボート送迎
・保護区設備使用料
・ボランティアTシャツ
・修了証
◎ 含まれないもの
・プログラム前後の食事・宿泊
・クアラトレンガヌまでの交通費
・UMT(マレーシアトレンガヌ大学)までの移動費
・保険
◎ クアラルンプールからUMTまでの交通費(参考)
・航空便(約1時間):往復 約RM200(約6,936円)
└ スルタン・マァムド空港(TGG)~UMT:RM25/片道(約867円)
・長距離バス(約6~8時間):往復 約RM180(約6,242円)
・自家用車往復(高速代込み・約5時間):RM250
※ RM1 = 34.68円で計算(2025年7月15日現在)
【4】プログラムを通じた感想
ウミガメと間近でふれあえるだけでなく、こうした活動に参加することで、少しでもウミガメの保護につながると思うとやりがいを感じました。実際、ウミガメの卵1,000個のうち、大人になるまで生き延びられるのはたった1匹とも言われています。だからこそ、ほんの少しでも力になれたことがとても嬉しく感じました。この体験は、日本の旅行者や学生の皆さんにもぜひおすすめしたいです。
マレーシアには、美しい自然環境を活かしたユニークなアクティビティが数多く存在します。当社では、日系企業様や教育機関様、留学エージェント様を対象に、こうした現地ならではの体験型プログラムの情報提供や、アレンジ・コーディネートのご相談も承っております。
「海外研修でのアクティビティを検討している」などお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。