日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター 月刊レター【Vol.21】

月刊レポート

日本人が移住したい国No.1!

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皆様、こんにちは。
日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター(以下、NTA MSBC)です。

毎月弊センターより、マレーシア現地最新情報や、NTA MSBCでの取り組みについてご紹介いたします。

1. NTA MSBCでは何ができる?その21:現地事情調査(マレーシアの学校制度について)

マレーシアは2026年の大型観光キャンペーン「Visit Malaysia 2026」を控え、観光立国としての魅力や多文化社会の特色に注目が集まりつつあります。東南アジアのハブとして交通アクセスが良く、治安や生活コストの面でもバランスが取れていることから、従来の観光旅行に加え、教育や研修の場としての関心も高まってきています。

特に近年は、大学留学、母子留学、インターナショナル進学といった教育目的でマレーシアにいらっしゃる日本人も増加しており、それに伴って教育旅行のデスティネーションとしてマレーシアを検討する学校や旅行会社も目立つようになりました。英語環境、多民族・多宗教の社会、様々な文化が交差するマレーシアは、異文化理解やグローバル教育の場として大きな魅力です。

一方で、教育旅行の訪問先として現地学校との交流を企画する際には、マレーシア独自の学校制度やカレンダー、教育環境を正しく理解しておくことが重要です。そこで本レポートでは、マレーシアへの教育旅行を検討するうえでまず押さえておきたい基礎知識として、マレーシアの教育制度を体系的にご紹介いたします。

今月の特集 「現地事情調査(マレーシアの学校制度について)」

■ 全体構造を知る
マレーシアの教育は、日本や欧米と同じく 「初等教育 → 中等教育 → 高等教育」 という流れを持っています。しかし、その仕組みを詳しく見ていくと、多民族国家ならではの多言語教育、そして国公私立や国際校といった多様な選択肢が存在する点に大きな特徴があります。ここでは、その全体像を整理してみます。


Photo by: https://www.malaysia.gov.my/portal/category/871

◎ 就学前教育(4~6歳)
マレーシアでは 「Tadika」 と呼ばれる幼稚園にあたる就学前教育があります。義務ではありませんが、多くの子どもが通園します。

  • 公立、私立、宗教系、国際系などバリエーションが豊富
  • 教育言語もマレー語、英語、中国語など園ごとに異なる
  • 小学校入学前に基礎学力を身につけ、早くから多言語環境に慣れることが目的

日本との違いとして、幼稚園の段階から英語や中国語を取り入れる園が多く、早期の多言語教育を行うのがマレーシアでは一般的になっています。

◎ 初等教育 (7~12歳) | 6年間 (義務教育)
マレーシアの義務教育は小学校からスタートし、6年間通うことになります。
最大の特徴は、学校のタイプが3つに分かれていることです。

  • 国民学校 (Sekolah Kebangsaan=SK)
    授業は主にマレー語。国家統一の観点から最も一般的。
  • 中国語小学校 (Sekolah Jenis Kebangsaan Cina=SJK(C)) 
    授業は中国語(マンダリン)。華人系が中心ですが、近年はマレー系・インド系も選択するケースが増加。
  • タミル語小学校 (Sekolah Jenis Kebangsaan Tamil=SJK(T)) 
    授業はタミル語。インド系(特にタミル系)家庭が多い。

いずれの学校でもマレー語と英語は必修であり、早い段階から多言語環境に浸るのが特徴です。こうした背景から、マレーシアの子どもたち早くからマルチリンガルになりやすいと言われています。

◎ 中等教育 (13~17歳) | 5年間 (前期3年+後期2年)
中学・高校にあたるのが中等教育。全体で5年間ですが、日本の 「中学校3年間+高校3年間」 とは異なり、一貫して5年間の学びになります。

  • 前期 (Form1~3) : 基礎科目を幅広く学び、進路に向けた土台を作る期間
  • 後期 (Form4~5) : 文系、理系、技術系、職業系などにコース分けされ、進路志向に沿った学習を行う

Form 5(17歳)修了時に受験するSPM(Sijil Pelajaran Malaysia) は、マレーシアの「高校卒業試験」であり、イギリスのOレベルに相当します。この結果次第で、大学進学・職業訓練校・就職といった進路が大きく変わるため、全国のForm5生は一斉に受験モードに入ります。

そのため、学校交流においては、Form1~4の学年が比較的柔軟に対応しやすいかもしれません。

また、中等教育には、普通校(SMK)のほか、スポーツ学校・宗教学校・全寮制のエリート校(SBP)・理数系寄宿校(MRSM) などの特別校もあります。

◎ 中等後教育 (18~19歳) | 大学準備課程
SPMを修了した学生は、進学希望に応じて 大学準備課程(Pre-University) に進みます。
ここで複数の進学ルートが選べるのがマレーシアの大きな特徴です。

  • Form 6 (シックスフォーム) 
    公立校中心で2年間在籍し、最終的にSTPM (Sijil Tinggi Persekolahan Malaysia) を受験。難易度は高く、学生の負担も大きいですが、STPMはイギリスのAレベル相当とされ、マレーシア国内の公立大学はもちろん、イギリスやオーストラリアなど海外大学への進学にも使える 「進学の切り札」 となっています。 
  • マトリキュレーション(Matriculation) 
    教育省直轄の大学準備課程。1年制(PST)と2年制(PDT)があり、理数系に強いカリキュラム。成績評価が大学入学に直結しやすい一方で、入学枠はマレー系学生が優遇される傾向があります。 
  • 私立大学・国際プログラム 
    私立大学のFoundationコース、イギリスのAレベル、国際バカロレア(IB)、オーストラリアSACEやカナダ課程など、国内外の私立大学や海外大学進学をめざす学生向けです。

◎ 高等教育 (大学・カレッジ)
マレーシアの高等教育は 英国式の影響を受けた3年制学士課程が基本です。これは日本やアメリカの4年制とは大きく異なる点で、卒業後はそのまま英国や豪州の大学院進学にスムーズに接続できます。
一方で、医学・薬学・工学・教育学などの一部専門分野は4〜5年制を採用しています。

  • 公立大学 (IPTA)
    授業料が低額なため入学競争率は高い。代表例はマラヤ大学(UM)、マレーシア国民大学(UKM)、マレーシア科学大学(USM)など。近年はQS世界大学ランキングにもランクインし、国際的評価が高まっています。 
  • 私立大学 (IPTS)
    単科・総合大学があり、海外大学と連携した柔軟なプログラムを提供。特に有名なのが「3+0」(国内で3年学んで海外大学の学位取得)や「2+1」(マレーシア2年+海外本校1年)。授業料は公立より高めですが、日本の私大や欧米留学に比べるとコストは抑えられ、近年は日本人正規留学先として人気です。 
  • 外国大学の分校 (International Branch Campus)
    ノッティンガム大学(英)、モナッシュ大学(豪)などがマレーシアにキャンパスを構えています。授業は英語、本国と同等の学位を取得可能。学費は本国より安く、「欧米の学位をアジア価格で取得できる」魅力があり、同じく日本人正規留学先として人気です。

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次月はマレーシアの学校のスケジュールや、訪問に際し気を付けたいポイントをご紹介予定です!
もし「もっと詳しく知りたい」「実際にこんな交流をしてみたい」といったアイデアやご質問がありましたら、どうぞお気軽にお声がけください。マレーシアは知れば知るほど奥深く、そして楽しい国です。皆さまのプログラムが実りあるものになるよう、お手伝いできれば幸いです。

 

2. NTA MSBC活動レポート : 東マレーシアのダイナミックな文化を体験!ー カルチャービレッジ訪問プログラムのご紹介

今月は、首都クアラルンプールを擁する “西マレーシア” とはまた違った表情をもつ “東マレーシア” にフォーカスします。東マレーシアはボルネオ島のサバ州・サラワク州(+連邦直轄領ラブアン)から成り、深い熱帯雨林や手つかずの大自然、先住民族の多彩な文化が息づくエリア。

その魅力を体感できるスポットとして、今回はサバ州コタキナバル郊外の「Mari Mari Cultural Village」をご紹介します。園内では、各民族の伝統家屋を巡りながら、暮らしの知恵や踊り、工芸、調理の実演などを“見て・触れて・味わう”かたちで学べます。

本記事では、実際に訪れたスタッフの体験を交え、見どころをまとめました。


📍今回ご紹介する場所:
マリマリ・カルチャービレッジ (マレーシア・サバ州 / コタキナバル近郊)
Mari Mari Cultural Village, Sabah, East Malaysia

マリマリ・カルチャービレッジは、サバ州に住む主要5部族(ドゥスン/ルングス/ルンダイエ/バジャウ/ムルット)のの暮らしや技を体験できる文化村です。つり橋を渡ると川沿いの静かな集落が現れ、各部族の伝統家屋や実演小屋、舞台、食堂が点在しています。吹き矢づくりや竹の火起こし、伝統舞踊など、見て、学んで、味わうコンテンツがギュッと詰まっています!教育旅行や異文化理解のフィールドワークにぴったりのスポットです。


【1】 現地での主な活動内容

基本情報(デイリー/1日2回)

  • 午前セッション送迎 : 9:15(コタキナバル市内ホテル)
  • 午後セッション送迎 : 13:15(同上)
  • 送迎なしの場合 : 現地到着後にビレッジルールのブリーフィングからスタート

セッションの流れ (例)

  • つり橋&リバーウォーク : つり橋を渡って入村。清流と森の景観を満喫。
  • 伝統家屋めぐり(5部族) : 住居構造・道具・暮らしの知恵をガイドが解説。
  • 実演小屋デモ : 吹き矢づくり、竹の火起こし、工芸などをライブ見学。
  • インハウス体験 : 簡単なクラフトや伝統ゲームに参加できることも。
  • 文化パフォーマンス : サバ各地の踊りを迫力の生演奏で鑑賞。
  • ローカル料理ビュッフェ : サバらしい素朴な味をビュッフェで堪能。
  • フェアウェル : 集合写真などを撮って解散。送迎付きはホテルへ、送迎なしは各自手配で移動。


Photo by Mari Mari Caltural Village (https://marimariculturalvillage.my/)


Photo by Mari Mari Caltural Village (https://marimariculturalvillage.my/)

【2】 プログラム費用 (参考)

料金 (1名あたり/外国人料金)

大人 子供(※4歳未満は無料)
送迎あり(コタキナバル市内) RM160 (約5,606円) RM140(約4,905円)
送迎なし RM130(約4,555円) RM110(約3,854円)

※ RM1 = 35.04円で計算(2025年9月15日現在)

料金に含まれるもの

  • 入場料/インハウスガイド
  • 5民族の伝統家屋見学
  • 伝統デモ&アクティビティ
  • 文化パフォーマンス
  • 食事(ビュッフェ)

※ 催行や料金は時期により変動する場合があります。

【3】 プログラムを通じた感想

実際に訪れてみて一番印象に残ったのは、やっぱり「体験型」というところです。展示を眺めるだけではなく、自分の手を動かして挑戦できるプログラムが多いので、ひと味違う経験なりました!

食べ物の試食もユニークで、クエ・ジャラやクエ・ピンジャラムといった素朴なお菓子はできたてを味わえます。さらに、サバの伝統的なライスワイン「リヒン」や、針なしばちの蜂蜜、パンダンジュースなど、なかなか日常では出会えないものにも気軽に挑戦できて楽しかったです。

西マレーシアの印象が強いマレーシアですが、サバでしか味わえない文化体験はひと味違う魅力があります。観光はもちろん、学生の研修や修学旅行でも十分楽しめる内容だと思いました。ぜひ訪れてみてくださいね。


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