日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター 月刊レター【Vol.22】

月刊レポート

日本人が移住したい国No.1!

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皆様、こんにちは。
日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター(以下、NTA MSBC)です。

毎月弊センターより、マレーシア現地最新情報や、NTA MSBCでの取り組みについてご紹介いたします。

1. NTA MSBCでは何ができる?その22:現地事情調査(マレーシアの学校制度について Part 2)

マレーシアは2026年の大型観光キャンペーン「Visit Malaysia 2026」を控え、観光立国としての魅力や多文化社会の特色に注目が集まりつつあります。東南アジアのハブとして交通アクセスが良く、治安や生活コストの面でもバランスが取れていることから、従来の観光旅行に加え、教育や研修の場としての関心も高まってきています。

先月は留学先や教育旅行のデスティネーションとしての注目の高まりを受け、マレーシアへの教育旅行を検討する際に押さえておきたい基礎知識として、同国の教育制度を体系的にご紹介いたしました。

今月はパート2として、「マレーシアの学校スケジュール」ならびに「学校訪問で気を付けたいポイント」をご紹介させていただきます。

今月の特集「現地事情調査(マレーシアの学校制度について Part 2)」

■ マレーシアの学校スケジュールを知る
制度の全体像を理解した次は、実際の「学校スケジュール」に目を向けてみましょう。マレーシアでの教育旅行や現地校交流を計画するうえで、学期ごとの区切りや州ごとの週末の違い、宗教行事による変動などを正しく把握しておくことが重要です。

◎ 学年サイクルの基本
学年開始:2月中旬
学年終了:翌年1月中旬
(※以前は1月始まりでしたが、コロナ禍によるスケジュール調整を経て、現在はこのサイクルに固定されています)
このため、日本の 「4月始まり」「3月終わり」 とは完全に異なり、日本の年度スケジュールとそのまま比較することはできません。

◎ 学期と休暇
マレーシアの学校は2学期制。さらに学期ごとに複数の休暇があり、年間で3回の短期休暇と1回の長期休暇が組み込まれています。

2025/2026年度の例
・第1学期(Term 1):2月中旬〜5月末(途中、3月末〜4月初旬に中間休暇あり)
・第2学期(Term 2): 6月中旬〜12月中旬(途中9月中旬に中間休暇あり)
・学年末休暇:12月中旬〜翌年1月(約4〜5週間)

そのため、日本の春休み(3月下旬〜4月上旬)と夏休み(7〜8月)は、マレーシアも授業期間中であり、学校訪問や交流プログラムは比較的組みやすいと考えられます。一方、日本の冬休み(12月下旬)はマレーシアの長期休暇と重なるため、学校訪問は不可となります。

◎ 州ごとの週末の違いと、宗教・文化行事の影響
マレーシアは国家であり、州ごとに休日の設定が異なります。
・金曜+土曜が休日 : ジョホール、クランタン、トレンガヌ、ケダ
・土曜+日曜が休日 : クアラルンプール、セランゴール、ペナンなど主要都市を含む大半の州

またマレーシアは多民族国家のため、宗教・文化行事に合わせて休暇や半日授業が設定される場合があります。
代表的なもの (2025/2026年度の例) 

■ 学校訪問で気を付けたいポイント
学校制度やスケジュールを理解しても、実際に現場で交流するとなると「細かなマナー」が気になるものです。マレーシアは多民族国家であり、訪問者が無意識にとった行動が、相手の文化や宗教感覚に触れることもあります。ここでは、教育旅行の場面で特に意識しておきたい配慮をまとめます。

① 服装と身だしなみ
マレーシアの学校は、都市部の近代的な校舎から郊外の伝統的な学校までさまざまですが、共通して重視されるのは「きちんとした身だしなみ」です。

女性は肩や膝を隠す服装が基本。ノースリーブや短いスカートは避け、ロングスカートやパンツスタイルが安心です。宗教系学校を訪問する際には、ストールを一枚持参しておくと便利です。男性は襟付きシャツと長ズボンが無難。スーツである必要は必ずしもありませんが、Tシャツや短パンは避けましょう。

校内には礼拝室(Surau)が併設されている場合が多く、靴を脱いで入室する文化もあります。着脱しやすい靴を選んでおくのも小さな工夫です。

② 食事は「ハラル」を意識する
訪問時に軽食やお土産を持参するなら、必ずハラル対応を念頭に置きましょう。豚肉やアルコールはもちろん、ゼラチンやラードを含む菓子も避けたほうが安心です。例えばチョコレートでも「Halal」マークがあるものなら安心。原材料に迷う場合は、食品よりも文具や折り紙といったお土産を選ぶほうが無難です。

学校によっては中国系やインド系が中心のケースもありますが、全体対応は「イスラム基準に合わせる」が鉄則です。

③ 宗教行事への配慮
イスラム国家であるマレーシアでは、宗教行事が学校生活に直結しています。ラマダン期間は授業時間が午前中心にシフトし、午後の活動は縮小されるのが一般的です。校内で食事をとる際には、断食中の生徒や先生の前で飲食しない配慮も必要です。

金曜礼拝はムスリム男子にとって最も重要な時間。正午前後は校内が礼拝に向けて慌ただしくなるため、訪問スケジュールは火曜〜木曜の午前に設定するとスムーズです。

また、Hari Raya(断食明け大祭)やHari Raya Haji(犠牲祭)は、新月の観測によって日程が直前に変わる可能性があります。過去には祝日が数日前に急に繰り上げられたこともあり、訪問を計画する際はバッファ日を設けておくのが賢明です。

④ あいさつは 「握手より会釈」
初対面の挨拶は少し工夫が必要です。男女間の握手は避けられることも多いため、胸に手を当てて軽く会釈するのが、最も無難で丁寧な方法です。

教員や年上の方には「Encik(エンチ/男性)」「Puan(プアン/女性)」と呼びかけると印象が良くなります。授業の開始や終了時には「Terima kasih(ありがとうございます)」と一言添えるだけで空気が和みます。

名刺交換や贈り物の受け渡しも右手で行うのがマナー。左手は失礼とされる場合があるため要注意です。

⑤ マレーシアで気を付けたい “3R”
マレーシア社会を理解するうえで欠かせないキーワードが、「3R」=Race(人種)・Religion(宗教)・Royalty(王室)です。これらは国の歴史や社会秩序に深く関わるため、公の場や初対面の会話で取り上げるのは避けるのが一般常識とされています。

教育旅行の場では、これらのテーマに触れる必要はありません。代わりに、文化・言語・芸術・スポーツなど、誰もが楽しめるテーマを中心に据えると安心です。

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次月はマレーシア13州と3つの連邦直轄区の特徴と魅力についてご紹介予定です!
もし「もっと詳しく知りたい」「実際にこんな交流をしてみたい」「こんな場所に行ってみたい」といったアイデアやご質問がありましたら、どうぞお気軽にお声がけください。

2. NTA MSBC活動レポート:オランウータンとマレーグマに会える!保護センター訪問プログラムのご紹介

先月は、東マレーシア・ボルネオ島サバ州の州都コタキナバルにおける伝統文化体験プログラムをご紹介しましたが、今月はサバ州東海岸エリアに焦点を当てます。

州都コタキナバルから車で約4時間、または国内線で約45分でアクセスできるサバ州第2の都市サンダカン。ここから車で約25分の「セピロック」には、オランウータンやマレーグマ(サンベア)の保護施設があり、マングローブ林や熱帯雨林が広がる自然豊かなエリアが広がっています。

今回はセピロックにある2つの施設、セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンター(Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre)と、隣接するボルネオ・サンベア保護センター(Bornean Sun Bear Conservation Centre)についてご紹介いたします。

実際に訪れたスタッフの体験も交え、見どころをまとめました!


📍今回ご紹介する場所①:
セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンター(マレーシア・サバ州/サンダカン近郊)
Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

1964年に設立されたこのセンターでは、密猟や違法取引で母親を失った孤児のオランウータンや、怪我をした個体を保護し、最終的に野生へ戻すためのリハビリを行っています。「オランウータンの学校」と呼ばれる段階的なリハビリでは、赤ちゃんを人間の“代理母”が育てるナーサリーに始まり、仲間と社会性を学ぶ遊びの森、半野生環境での自立訓練ステージを経て、最終的に熱帯雨林へ帰されます。

見どころは午前10時と午後3時の餌付け時間。森から姿を現したオランウータンが餌を食べる様子を観察できます。さらに、ガラス越しに赤ちゃんオランウータンが遊ぶナーサリーを見学したり、施設内の展示を通じて熱帯雨林の現状や保護活動について学ぶこともできます。


Photo by Orangutan Appeal UK

📍今回ご紹介する場所②:
ボルネオ・サンベア保護センター(マレーシア・サバ州/サンダカン近郊)
Bornean Sun Bear conservation Centre

世界最小のクマとして知られるマレーグマ(サンベア)の保護とリハビリを目的に、2008年に設立され、2014年に一般公開された施設です。違法飼育や森林伐採の影響で行き場を失ったサンベアが受け入れられ、専門家のケアを受けながら野生復帰を目指しています。

見どころは高台の観察デッキから、自然林を自由に動き回るサンベアを観察できること。日本のクマに比べて小柄で、大きな爪と胸元の明るい斑紋が特徴です。各個体には名前が付けられ、特徴や性格を示すパネル表示もあります。さらに、生態や保護活動を紹介する展示も充実しており、楽しく学びながら見学できます。


Photo by Borneo Sun Bear Conservation Center

【1】 現地での主な活動内容(モデルプラン例)

★ 午前の餌付け時間(フィーディングタイム)に見学する場合

08:30 サンダカン市内ホテル出発(車で約25分)

09:30 セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンター入場
 ・ オリエンテーション(施設説明・見学ルール)
 ・ ジャングルボードウォークを歩いて熱帯雨林へ

10:00 餌付け観察:森から現れるオランウータンを見学
 ・ ナーサリー見学:赤ちゃんオランウータンをガラス越しに観察
 ・ 展示コーナーで保護活動や熱帯雨林の現状を学ぶ

11:00 徒歩でボルネオ・サンベア保護センターへ(隣接)
 ・ 展望デッキからマレーグマ観察
 ・ 展示コーナーで生態や保護活動について学ぶ
 ・ 最後にショップでおみやげ購入や寄付も可能

12:30 プログラム終了

【2】 参考費用
※ 時期や手配内容により変動します。弊社スタッフ訪問時の目安です。

◎ 入場料
セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンター

大人 子供(18歳未満)
マレーシア人 RM5 (約179円) RM2(約72円)
外国人 RM30(約1,076円) RM15(約538円)

※ Professional cameras(DSLR, ビデオカメラ、Gopro等)使用の場合は別途RM10(約358円)がかかります。

ボルネオ・サンベア保護センター

大人 子供(18歳未満)
マレーシア人 RM10 (約358円) RM5(約179円)
外国人 RM50(約1,794円) RM25(約897円)

※ 2歳未満は無料

◎ 交通費
・ コタキナバル⇔サンダカン 国内線往復:約RM300(約10,764円)
・ サンダカン⇔セピロック移動費(配車サービスGrab利用):約RM50(約1,794円)

◎ 宿泊費
・ サンダカン市内 3つ星ホテル:1泊・1名あたり約RM150(約5,382円)

(計算レート:RM1 = 35.88円 / 2025年10月14日現在)

◎ 持っていくと安心なもの
・ 歩きやすい靴:木道や熱帯雨林を歩くため、スニーカー推奨
・ 虫よけスプレー・虫刺され対策:蚊が多いため必須
・ 帽子・日焼け止め:強い日差しに備えて必需品
・ 飲料水:汗をかくためやや多めに持参がおすすめ
・ 雨具(折り畳み傘・レインコート):スコール対策に
・ カメラ・双眼鏡:動物観察をより楽しむために
・ 現金(小額紙幣):入場料やショップでの買い物に

【3】 プログラムを通じた感想 

学生時代に教科書で見たオランウータン保護活動の内容が心に残っており、せっかくマレーシアに滞在しているのだからと訪問を決めました。フィーディングタイムでは飼育員がオランウータンに餌を与える場面は遠目から見られましたが、あいにく小雨だったためかナーサリーの赤ちゃんオランウータンには出会えず、少し残念に思いながら出口へ向かいました。しかしなんと、その途中で偶然お散歩中のオランウータンに遭遇! 間近に姿を見ることができ、感激の体験となりました。

セピロック・オランウータン・リハビリテーションセンターは、熱帯雨林の中に木道が整備されており、大自然の中を散策できるのも新鮮な体験でした。

また、オランウータン見学後にボルネオ・サンベア保護センターにも行ってみました。深い熱帯雨林の中に木道が整備され、観察デッキからは複数のサンベアを発見!木にぶら下がる姿、ご飯を食べる姿、遊んだり寝転んだりする姿などを次々に見ることができ、とても楽しい経験になりました。

サバ州を訪れる機会があれば、観光旅行はもちろん、留学や短期研修でいらっしゃる方にも、絶滅危惧種の動物たちに出会うために一度は足を運んでいただきたい場所でした。


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