日本人が移住したい国No.1!
マレーシアに関する案件なら、
何でも日旅マレーシア ソリューションビジネスセンターにお任せ!
皆様、こんにちは。
日旅マレーシア ソリューションビジネスセンター(以下、NTA MSBC)です。
毎月弊センターより、マレーシア現地最新情報や、NTA MSBCでの取り組みについてご紹介いたします。
NTA MSBCでは何ができる?その20:食品市場調査(即席ラーメン)
マレーシアは多民族国家であり、それぞれの食文化や味の好みが市場形成に大きく影響しています。麺料理も例外ではなく、日常的に多様な麺類が消費されてきました。その中でも、手軽さと価格競争力から即席麺は国民の生活に深く浸透しており、年間消費量は世界でも上位に位置します。
一方、日本式ラーメンは近年、都市部を中心に知名度と人気を高めています。しかし即席麺市場においては、価格や宗教的要件、味の嗜好の違いなどから、日本製品がシェアを獲得するには依然として課題が残されています。
本レポートでは、マレーシアにおける即席ラーメン市場の現状と、民族構成・味の嗜好・価格帯・ハラル認証の有無といった多角的な視点から、日本製品が競争力を高めるための販売戦略を考察します。現地市場への参入や商品開発のヒントとして、ぜひご一読ください。
今月の特集「食品市場調査(即席ラーメン)」 |
~マレーシアで売れるための品目別マーケティング~
即席ラーメン
■ マレーシアにおける知名度・状況
もともと麺を食べる文化があったマレーシアの即席麵の消費量は年間15.7億食ともいわれ、世界第13位の規模の市場といわれています。食料品店・スーパーマーケット・コンビニに行くとインスタント袋麵、カップ麺が必ず置かれており、すっかり生活に根付いています。
多民族国家であるマレーシアの人口比は、マレー系が約69%、華人が23%、インド系が7%となっており、それぞれ宗教や文化が違い、味の好みも異なっていることから、それぞれが好む味付けの類似商品がシェアを競っています。
マレーシアにも国産メーカーがありマレー風の即席麵を製造していますが、タイ、インドネシアなどの東南アジア製、韓国製、台湾製も幅を利かせています。
いまや国際的に認知されている日本式のラーメンですが、マレーシアでも代表的な日本食とみなされ華人を中心に人気を集めており、都市圏を中心にラーメン専門店が多く出店しています。ただ宗教への配慮、味の好み、価格の問題からマレーシア国民すべてに受け入れられている状況ではありません。特に即席麺の分野では、前述のマレーシア人向けの味付けのアジア製に圧されており、シェアでは遠く及びません。
■期待される販売先・ターゲット
日本式ラーメンは好みが日本人に近い華人を中心に人気が高まっています。日本人経営のラーメン専門店が次々と開店しており、これから独立した華人料理人が開業したラーメン店も増えています。
代表的なものは「一風堂」、「麺屋武蔵」、「山頭火」、「ばんから」、「まる玉」、「三ツ矢堂製麺」などで、主に華人人口の多いクアラルンプール(KL)首都圏に集中しています。価格は最もシンプルなもので20〜30リンギット(750〜1,045円)程度。華人がオーナーシェフをやっている店は15~18リンギット(520~625円)程度とリーズナブルな設定となっています。
ただ一般の華人が食べる中国式麺類(雲吞麺、猪肉麺、板麺など)は8〜10リンギット(278〜348円)程度であるため、日本のラーメンはかなり「贅沢」な食事との位置づけとなっているようです。
マジョリティであるマレー系はムスリムであるため、教義上、禁忌(ハラム)とされる豚由来成分やアルコールが含まれる食品・調味料が使われる可能性のあるラーメン店にはまず行きません。
ムスリムが食べることができるハラル(イスラムの戒律に則った)食品及びそれらを使ってきちんと管理して調理した料理を出す飲食店は、ほとんどが認証団体(マレーシアでは
イスラム開発局=JAKIM)が発行するハラル・マークをつけており、消費者もそれを目安に商品や飲食店を選びます。
現状、マレーシアではハラルと自称しているラーメン店はまだわずかで、しかもほとんどが認証は取得していないようです。
一方、即席麵の分野で日本製は厳しい戦いを強いられています。
理由の一つに、上記のようなハラル認証取得した製品が少ないことが挙げられます。このため例えマレーシアに輸出してもメインの一般食品売り場に置いてもらえず、片隅の日本食コーナーなどに置かれています。また日本から輸出される製品は値段が高めなので、それも競争力を削ぐ要因となります。
日系では日清食品(傘下の明星食品を含む)がインドネシア、タイなどで現地生産しているハラルマーク入りの商品が入ってきています。日清食品はアジアで現地生産しているだけに、マレーシア人の好みに合った商品を様々なラインナップで用意し、現地価格で販売できるため、日系ではほとんど唯一存在感を示しています。
日本製を輸出する場合、ハラル認証を取得するという方法もあるでしょうが、コストや手間もかかるため、最初から日本式のラーメンに馴染みのある華人をターゲットにする手はあるでしょう。
■ 競合商品と類似品
即席麵では何といっても価格の安い東南アジア製の商品が売れています。大手食品メーカー、マギー(Maggi)の商品のほか、前述の日清食品の商品、マレーシア人に馴染みのある「カリーミー(ココナッツミルク風味のカレーヌードル)」などが人気です。インド系にはスープ麺より東南アジア風に辛く味付けした焼きそばが人気です。
価格は安いものだと5食で4リンギット(140円)程度からあり、多くが6リンギット(208円)程度と非常に安いです。
国産ではMyKualiの「ペナン・ホワイト・カリーミー」が有名。これは米国のラーメンマニアによるトップ即席麺ランキングで2位になったことで知られるようになりました。4食で9リンギット(313円)程度とやや高級。
東南アジア以外だと韓国・辛ラーメンが人気です。5食で13リンギット(452円)程度と高めですが、辛い味付けが受けています。
■ 好み・味付け・包装など
スープの味の好みとしては圧倒的に豚骨や鶏などの肉系スープ系が人気で、魚系のダシを使う醤油ラーメンはあまり人気がありません。
実際、前述の日系ラーメン店でも、醤油ラーメンを置いている店はほとんどありません。また小売向けの即席麺・乾麺でも日本人買物客向けを除けば醤油ラーメンはほとんど売られていません。味噌ラーメンもあまり受け入れられていません。
鶏からダシをとった白湯スープのラーメンもいくつか出店していますが、主要な客層が華人ということもあって、人気の面では 「旨さが分かりやすい」コッテリ感のある豚骨ラーメンに圧倒されている状況です。
なお白湯スープは、豚肉が教義上食べられないマレー・ムスリム市場を想定している店が多いですが、まだまだ一般的なものとはなっていません。
マレーシアではマレー系に限らず、華人、インド系も唐辛子の効いたスパイシーな味付けを好みます。実際、「一風堂」などの日本から出店しているラーメン店では、唐辛子ペーストを添えたスパイシーなラーメンが良く売れています。
またマレーシア全体にいえることですが、コシなどの麺の質感、細さや縮れ具合などの形状に対するこだわりが薄いように感じられます。「一風堂」などでは麺の茹で加減が「バリカタ」「カタ」のように選べるシステムになっていますが、これはほとんど例外です。
なお華人に関しては麺の種類、「イエローミー」とか「ビーフン」のようにこだわりがあるので、「一風堂」のような方式にも理解が得られているようです。
■ その他注意点
マレーシアではラーメンのような加工食品について、日本産に関しては特別な輸入規制はありません。
ただイスラム教徒の多いマレーシアでは、ハラル認証を取得していない製品については、「ポークフリー」(豚肉及び成分不使用)や「アルコールフリー」(アルコール分不使用)であっても、認証がないとスーパーマーケットなどでメインの食品コーナーに置いてもらえないことがあります。その場合、華人が訪れるノンハラルコーナーに置かれることになります。
NTA MSBC活動レポート:JAPAN EXPO MALAYSIAへの訪問
日本文化の人気が高いマレーシアでは、年間を通じて多彩な日本関連イベントが開催されています。その中でもひときわ注目を集めるのが、毎年多くの来場者で賑わう「JAPAN EXPO MALAYSIA」です。
今回は、2025年7月18日〜20日に開催された同イベントに当社スタッフが実際に足を運び、その魅力を体感してきました。会場の様子や現地で感じたことを交えながら、皆さまにご紹介いたします。
■ JAPAN EXPO MALAYSIAとは
JAPAN EXPO MALAYSIAは、日本の食文化・観光・教育・伝統芸能・ポップカルチャー・ライフスタイルなど、多岐にわたる魅力を一堂に集めた、マレーシア最大級の日本関連イベントです。2016年の初開催以来、毎年規模を拡大し、今年で第6回目を迎えています。
本イベントは、Siam Connection社とG-Yu Creative社の共催により、クアラルンプールの中心部に位置するクアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)で3日間にわたり開催。会場には日本文化ファンはもちろん、観光や買い物の合間に立ち寄る現地の方々、そして在マレーシアの日本人コミュニティなど、幅広い層の来場者が訪れました。
期間中は、日本からの特別ゲストによるライブパフォーマンス、自治体や企業による観光・商品紹介ブース、文化体験コーナーなど、五感で日本を味わえるコンテンツが盛りだくさんでした。
公式サイト:
http://www.japanexpomalaysia.com
■ 会場の様子
今回の開催地となったクアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)は、観光名所であるペトロナスツインタワーや高級ショッピングモールSuria KLCCから徒歩圏内に位置します。周辺は観光客や買い物客で賑わい、ショッピングや観光の合間にふらりと立ち寄る来場者の姿も多く見られました。
会場は大きくEXHIBITION ZONEとENTERTAINMENT ZONEの2つに分かれ、それぞれ異なる楽しみ方ができました。
• EXHIBITION ZONE:企業や自治体、教育機関などによる展示ブースのほか、文化体験やパフォーマンス、講演会などを実施。入場無料で、気軽に立ち寄れるのが魅力です。
• ENTERTAINMENT ZONE:日本およびマレーシアのアーティストによるライブパフォーマンスが楽しめる有料エリア(曜日によって15〜40リンギット/約520〜1,400円)。
■ 多様なブースと催し
EXHIBITION ZONEには、食品・観光・伝統文化・教育・ポップカルチャーといった多彩なジャンルのブースがずらりと並び、来場者は食事を楽しんだり、観光パンフレットを手に取ったりと、日本の魅力に触れていました。
↑ 会場の様子
↑着物・浴衣の販売も
↑ 剣道体験ブース
↑ 日本のアニメグッズ販売や、クアラルンプールを拠点に活動するKLP48のブースも
↑ 日本観光ブース
会場内各所では、剣道演武、マグロ解体ショー、弓道体験、阿波踊り、オペラなど、多様なパフォーマンスが披露され、立ち止まって見入る人々で人だかりができる場面も。
↑ 阿波踊りパフォーマンスの様子
また、講演やトークショーでは、日本文化や製品の魅力紹介、日本語学習や留学情報などが発信され、真剣に耳を傾ける参加者の姿が印象的で、文化交流の場としての価値を強く感じられる時間でした。
■ スタッフの感想
今回の参加を通じて最も印象的だったのは、会場全体に満ちる熱気と活気でした!来場者は年齢もさまざまで、それぞれが自分なりの楽しみ方で日本文化に触れており、その姿から日本への関心の高さが強く感じられました。
会場内では、展示やステージを通じて日本の魅力が多角的に紹介され、現地の方々が自然に足を止め、見入ったり会話を交わす様子があちこちで見られました。この交流の様子から、日本文化が国境を越えて人と人をつなぐ力の大きさを改めて実感しました。
日本とマレーシアをつなぐ文化交流の場は、観光や教育、ビジネスの新たなきっかけにもつながります。当社では、日系企業様や教育機関様、留学エージェント様などを対象に、こうした現地イベントや文化交流の機会を活用したプログラムの企画・アレンジ、情報提供を行っております。
「現地での日本文化発信イベントに参加したい」「海外拠点での交流企画を検討している」などのご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。